2016年5月20日 サミット・VFC特別セミナーを開催しました。
2016年5月20日、ベーリンガーインゲルハイムベトメディカジャパン様のご協力のもと、アメリカの養豚開業獣医師ジョセフ・コナー先生をお招きし、サミットベテリナリーサービスとVFCのクライアント様限定の特別セミナーを東京にて開催いたしました。
今回は2つのテーマでご講演いただき、1つはアメリカ養豚生産動向と題し、直近の生産データやベンチマーキングが示されるとともに、現在アメリカで取り組みが始まっている抗生物質使用の低減に対する動きについても触れられました。次の疾病管理の最新情報では、PEDアウトブレイク後のアメリカにおける状況、およびPRRS、PCV2、マイコプラズマといった重要疾病の最新知見についてご講演いただきました。前回来日から1年もたっていないにもかかわらず、多くの新しい情報が盛り込まれており、アメリカの養豚産業が常に進歩し続けていることを改めて感じた、今回のセミナーでした。
詳細につきましてはクライアント専用ページにセミナー資料を掲載しましたのでご活用ください。
去る11月20日、第14回サミット・VFCジョイントセミナー【PED】を開催しました。
今年はPEDの防疫、対策」をメインテーマに、ゲストスピーカーとして動物衛生研究所からPEDをはじめ豚のウイルス性下痢に関する研究の第1人者である宮崎綾子先生と、子豚の細菌性下痢と混合感染の研究に精通している勝田賢先生をお招きし、豚の下痢症に関する研究の最前線をお話しいただきました。また、サミットベテリナリーサービスの石川先生、VFC呉からは、深く農場を知ったうえで対応した管理獣医師ならではの現場の視点で、PEDの有効な侵入防止策、発生事例における具体的対応法、今後の取るべき対応などについて報告させていただきました。
詳細につきましてはクライアント専用ページにセミナー資料を掲載しましたのでご活用ください。
去る10月9日、アメリカの養豚開業獣医師の第一人者であるジョセフ・コナー先生の来日を機に、Dr.コナー プレミアムセミナーをTKP東京八重洲カンファレンスセンターにて開催いたしました。
現在、日本の養豚界を震撼させているPED(豚流行性下痢)について、アメリカの現状や、最新の研究から明らかになりつつあるPEDウイルスの性状など、農場のPED対策に役立つ盛りだくさんの情報をご提供いただきました。その他、アメリカの養豚業界の生産成績および最新情報のご講演がありました。
クライアント専用ページにセミナー資料を掲載しましたのでご活用ください。
第14回サミット・VFCジョイントセミナーを2014年11月20日(木)につくばで開催いたします。
今回は「PEDの防疫、対策」をメインテーマに、ゲストスピーカーとして動物衛生研究所からPED研究の第1人者である宮崎綾子先生と子豚の細菌性下痢と混合感染の研究に精通している勝田賢先生をお招きします。また、石川、呉の2人は、深く農場を知ったうえで対応した管理獣医師ならではの現場の視点で、PEDの有効な侵入防止策、発生事例における具体的対応法とその結果、そして、今後の取るべき対応など、じっくりとこの病気を議論します。この冬を乗り越えるための貴重な情報共有の場となることと思います。ご多忙と存じますが、是非ともご参加ください。
詳細につきましてはジョイントセミナー特設ページをご覧下さい。
去る2月10日、アメリカの養豚開業獣医師の第一人者であるジョセフ・コナー先生の来日を機に、Dr.コナー プレミアムセミナーをつくば国際会議場にて開催いたしました。
2013年よりアメリカで被害が拡大し、現在日本でも大きな問題となりつつあるPED(豚流行性下痢)に関する最新情報を皮切りに、その他アメリカの生産成績や飼料効率の最大化に関するご講演がありました。
クライアント専用ページにセミナー資料を掲載しましたのでご活用ください。
第13回サミット・VFCジョイントセミナーを2013年10月11日(金)につくばで開催いたします。
今回は「育種」をメインテーマに、ケンボロー、ハイポ−、全農SPF、DanBred、TOPIGSの種豚メーカー5社をお招きしご講演いただく予定です。
国内養豚産業をとりまく状況は厳しさを増し、さらに生産性を上げていくことが重要ですが、そのための基本的かつ重要な要素となる種豚の選択について、さまざまな視点から判断材料を得ていただく好機になることと思います。
また、サミットベテリナリーサービスの石川先生、VFC呉からも、このテーマに焦点をあて講演させていただきます。
詳細につきましてはジョイントセミナー特設ページをご覧下さい。
日本の豚肉の消費のほぼ半分が輸入ポークであり、その80%をアメリカ、デンマーク、カナダがしめています。これらの国々は生産性で世界をリードする存在であるとともに、日本に輸出しているポークの品質もどんどん良くなってきています。我々が国内生産で勝ち残っていくためにアメリカ、デンマークを世界基準と捉え、そこから学び、国内生産がどうあるべきか、そして、それを支える養豚獣医療がどうあるべきかについてVFC呉が考察します。
VFC呉のレポートはこちら→ 添付資料:養豚の世界基準と国内生産(PDF)
2013年6月13日
(株)バリューファーム・コンサルティング
獣医師として全国を駆け回るこの仕事に憧れ、この度、新入社いたしました。
先生方や農場の方々にいろいろご指導いただくことばかりで、まだまだ至らぬ身ですが、今自分にできることを精一杯頑張り、
少しでも皆さまのお役に立てるよう努めて参ります。
2013年5月6日
(株)バリューファーム・コンサルティング
大久保 光晴
2012年6月11日から13日まで、韓国の済州島にて、第22回IPVS(国際養豚獣医師学会)が開催されました。
IPVSは2年毎に開催され、2014年はメキシコ、2016年はアイルランドで開催されます。今回の韓国でのIPVSは、約3000人(内、韓国から約1000人)の参加者が世界各国から集まり、非常に盛大な学会でした。済州国際空港から会場までの間も、道路や宿泊ホテルにIPVSの看板や旗がたっており、島を挙げての学会といった様子で驚きました。
今回VFCからはPRRSVの撲滅に関して1題のポスター発表をさせていただきました。この発表の内容とともに、3日間の学会を通して興味のあった発表の概要を別添のレポートにてご報告いたします。
2012年12月5日
(株)バリューファーム・コンサルティング
杉山 正徳
第12回サミット・VFCジョイントセミナーを10月5日つくばで開催しました。
今年は「肥育豚の利益の最適化・最大化の方法」というテーマを掲げ、ゲストスピーカーとしてアメリカ・イリノイ州で開業されているDr.ジョセフ・コナーをお迎えしました。
アメリカの穀倉地帯を襲った歴史的な大干ばつに直面する今、いかに利益を最適化・最大化していくのか、そして今後業界はどうなっていくのか、リアルタイムなアメリカ養豚の最新事情をご講演いただきました。
サミットベテリナリーサービスの石川先生、VFC呉からも、利益の最大化ということに焦点をあて、そのポイントはどこにあるのか、ベンチマーキングのデータ分析などをもとに講演させていただきました。
当日は200名以上の参加者の方にお越し頂きました。また、日頃お世話なっている企業や出版社の皆様からもブース出展や書籍販売等によりご協力いただき、たいへん盛会な一日となりました。ご協力いただいた皆様に改めて感謝申し上げます。
クライアント専用ページにはその内容を掲載していますので、ご覧ください。
2012年11月13日
(株)バリューファーム・コンサルティング
奥村 華子
第12回サミット・VFCジョイントセミナーを2012年10月5日(金)につくばで開催いたします。
メインテーマは「肥育豚の利益の最適化・最大化の方法」です。
今回はゲストスピーカーとして、アメリカ・イリノイ州で開業されているDr.ジョセフ・コナーをお迎えし、
進化するアメリカ養豚の最新事情や、メインテーマである肥育豚の利益の最大化に焦点をあてご講演いただきます。
サミット、VFCからも、実際のフィールドデータを用いてこのテーマについて掘り下げていきたいと思います。
詳細につきましてはジョイントセミナー特設ページをご覧下さい。
平素は格別のご高配に預かり厚く御礼申し上げます
弊社は創業11年を迎えるのを機に 有限会社から株式会社に改組し4月2日をもって「株式会社バリューファーム・コンサルティング」として新たに出発することとなりました また 同時に本店を現事務所のある茨城県つくば市に移転いたしました
これを機に社員一同 より一層経営に近いコンサルテーションに努め皆様のお役に立つ所存でおります また 社員が幸せを物心両面で実感できる会社を目指します
何卒従来にもましてのご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
2012年4月吉日
新社名 株式会社 バリューファーム・コンサルティング
新本店所在地 〒300-1260 茨城県つくば市西大井1704-3
代表取締役 呉 克昌
第11回サミット・VFCジョイントセミナーを6月10日につくばで開催しました。
今年は「ベンチマーキング」をテーマとしてとりあげました。
メインスピーカーに動物衛生研究所の山根逸郎先生をお迎えし「我が国のベンチマーキングの現状と将来への展望」という演題で、サミット・VFCのクライアント50農場以上のベンチマーキングデータの分析をもとにご講演いただきました。
後半はサミット・VFCのクライアントである林牧場・林邦雄氏、ロッセ農場・河瀬裕幸氏から、ベンチマーキングも含めた各農場の前向きな取り組みについてお話いただきました。
また、今年はセミナー収益の半分を東日本大震災への義援金として拠出させていただくという趣旨でしたが、当日は200名を超える参加者と過去最多となる企業ブースのご出展をいただき、たいへん盛会な1日となりました。ご協力いただいた方々に改めて感謝申し上げます。
クライアント専用ページにはその内容を掲載していますので、ご覧ください。
2011年7月10日
有)バリューファーム・コンサルティング
奥村 華子
皆様には、たいへん長い間、ご無沙汰をして申し訳ございませんでした。ようやく、HPに手紙を書くところまで活動が戻ってきました。多くのご支援、本当にありがとうございました。
4月から発生した口蹄疫は8月末に終息し、宮崎では11月から家畜の導入が再開されています。 多大な犠牲を払った方々のご苦労は計り知れないですが、本当に、あのエリアだけで口蹄疫を押しとどめたことは、日本の底力のおかげと感謝しています。
それもつかの間、韓国では口蹄疫が再燃していますし、アジア諸国では口蹄疫は常にどこかで発生している状態です。また、最近は高病原性鳥インフルエンザウィルス(H5)が野鳥や養鶏場で発見されています。 明らかにシベリアで繁殖し日本に越冬しにくるカモでの高病原性インフルエンザの感染レベルが高まっていることが推測されます。カモではインフルエンザウィルスは腸内常在ウィルスで症状を出しませんが、 他の鳥では発症したり死んだりすることが、今の現象につながっていると推測します。一方、国内でも、一部の養豚密集地帯では、新たにPRRSが広がっているという情報も耳にします。
そこで、再度、農場防疫(バイオセキュリティー)の徹底をお願いします。外来者の制限、農場進入車両の消毒の徹底、農場で使用する物品の消毒、防鳥・野生動物侵入防止対策が特に重要です。 農場進入車両には効果の高い消毒液(グルタルアルデヒドやビルコン)を使いましょう。消毒効果を高めるには、先ず有機物が無いこと、 そして、適正倍率で、十分な接触時間(PRRSの研究ではウィルスが完全に不活化するのに60分以上かかることが示されています。ただし、PRRSウィルスが乾燥に非常に弱い)を確保することです。 また、目視によるトラック荷台などの清潔度チェックと運転手の衣服・長靴交換を徹底しましょう。添付の資料は、JPPAがJASVの監修で作った口蹄疫発生時に配った車両に関する防疫対策のアドバイスです。 これは、口蹄疫のみならず、他の病原菌微生物にも有効ですので、皆さまの現状の防疫体制の確認と補強の参考としてください。
冬は病原微生物が生き残りやすく、農場への侵入リスクが高くなる季節です。また、長期の休みの前後は配車に無理が生じたりして、防疫対策の手抜かりが生じやすい時期でもあります。
くれぐれも農場防疫(バイオセキュリティー)を高く維持し、そして、火事や事故にも十分注意して、良いお正月をお迎えください。
添付資料:防疫対策のアドバイス(制作JPPA・監修JASV)
2010年12月22日
有)バリューファーム・コンサルティング
呉 克昌
口蹄疫の関係で延期していた第10回サミット・VFCジョイントセミナーを10月18日につくばで開催することができました。
口蹄疫について宮崎の志賀先生と野津手先生から貴重な報告をお聞きするとともに、セミナー後半では、全般的な飼料・栄養と飼料米について、 それぞれ、日本農産工業(株)の松本先生と独立行政法人畜産草地研究所の勝俣先生にお話いただきました。当日は200名を超える参加者と過去最多となる企業ブースの出展があり、 大いに勉強となる一日となりました。ご協力いただいた方々にあらためて感謝申し上げますとともに、開催できたこと自体を本当に感謝しています。
クライアント専用ページにはその内容を掲載していますので、ご覧ください。
2010年12月22日
有)バリューファーム・コンサルティング
呉 克昌
2009年10月26日〜28日まで、つくば国際会議場で開催された第4回アジア養豚獣医師学会(APVS 2009)は、 予想をはるかに越える1200名以上の参加者(国内約800名、海外400名以上)が集まり、成功裡に終わりました。
VFCは4題のポスター発表を実施し、また、ワークショップNo.5「生産システムとバイオセキュリティ」では座長を務め、 アメリカ養豚専門開業獣医師のコナー先生の特別講演の通訳もいたしました。VFCポスター発表資料とコナー先生講演要旨を掲載しますので、参考にして下さい。 なお、クライアント専用ページには、コナー先生のPP資料も掲載しますので、参考としてください。
---------VFC ポスター発表資料(PDF)---------
SPF農場におけるPCV2感染症発生とPCV2ワクチン接種の効果
コマーシャル農場におけるPRRS生ワクチンを接種した
新生子豚の血清学的、ウイルス的反応
母豚へのポーシリス® STREPSUIS ワクチン接種と離乳子豚における
レンサ球菌症発症率と事故率への効果
---------コナー先生のテキスト資料(PDF)---------
コナー先生のPP資料(PDF)はクライアント専用ページに掲載しております。
併せてご覧下さい。
新型インフルエンザとは、新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、 一般に国民が免疫を獲得していないことから、全国的かつ急速なまん延により国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいいます。
今回の新型インフルエンザは、その遺伝子が豚インフルエンザのものに似ていることから、確認当初は豚インフルエンザと呼ばれました。 その後の研究で、今回のインフルエンザウイルスが豚インフルエンザウイルスの遺伝子のほかに、 鳥インフルエンザウイルス及びヒトインフルエンザウイルスの遺伝子も持つことが確認されています。
以上、厚生労働省HP「新型インフルエンザに関するQ&A」(5月22日版)より
国内で7月24日までに新型インフルエンザにかかったと報告があった人数は4,986例でした。 その後、全国での全数調査は中止され、約5,000の定点医療機関からの報告に移行されています。2009年第28週頃から急激に報告数が増え、 第32週(8月3日〜9日)では、報告数が4,630例で、全国で約60,000例の患者が発生していると推定されました。 また、定点当たり報告数は0.99で、通常の季節性インフルエンザの全国的な流行の指標とされている1.0に近い数字となりました。 第34週(8月17日〜23日)では、報告数11,636例、全国で約15万例の患者発生の推計、定点当たり報告数2.47となり、感染の拡大がみられる状況です。
最新の情報では、第35週の8月最終週では第34週より1.7倍の報告数があり、地域差はありますが、全国的に人から人への感染が非常に広がっている状況です。
したがって、新型インフルエンザは当初国内で報告されたような特定の感染ルート(海外旅行経験者やそのつながり)で発生するのではなく、 不特定なルートでの広がりを見せている段階であり、人口密集地域ではどこにでも新型インフルエンザウイルス感染の機会があると考えた方がよい段階であると言えるでしょう。
1.豚肉は食べても安全です。
2.日本の養豚場で発生報告はありません。
3.人から人へ容易に移ります。人から豚への感染も予想され、現時点での豚への感染源は人のみです。
4.豚から人への感染の報告は世界的にもありません。
5.最も注力するべきことは、新型インフルエンザに感染した人から養豚場の豚に感染することを防ぐことです。
1.今まで実施している農場の防疫対策(バイオセキュリティー)の徹底実施。
2.体調不良な従業員、及び家族に体調不良な人がいる従業員の入場を避け、いち早く、医療機関の診察を受けること。
3.農場に入る外来者をできるだけ制限し、必要不可欠な人のみとすること。訪問者には通常通り、シャワーインと衣服交換の実施の他、マスクを着用してもらうこと。
4.農場内での衛生管理の徹底。すなわち、手洗いの励行、衣服の交換、マスクの着用。
一部の報告では症状(発熱、咳、のどの痛みなど)が出る前にウイルスの排泄が始まっているとするものがありますから、ここに至っては、事前のマスク着用が有効と考えます。
5.できるだけ人ごみに行かないこと。どうしても行く場合は、
1)密室(例えば、飛行機や電車の中)ではマスクを着用すること。
2)人の触ったものには極力触らないこと。
3)手洗いを頻繁に行うこと。それができない時は、アルコール系のウェットティッシュで手を拭くこと。
4)咳をしている人の2m以内に近づかないこと。
6.季節性インフルエンザのワクチン接種を受けること。
7.10月以降に使用開始となる新型インフルエンザワクチンの接種をできるだけ早く受けること。
2009年9月10日
有)バリューファーム・コンサルティング
呉 克昌
今回の新型インフルエンザ(インフルエンザA型)は、北米で見られる豚インフルエンザウィルス2種類と、人のインフルエンザウィルス、 ユーラシア大陸で見られる鳥インフルエンザウィルスが遺伝的に混ざり合ってできた、今までに世界で存在しなかった新しいウィルスで起こっており、人から人へと伝播します。
インフルエンザの潜伏期間(感染してから発症までの期間)は通常2〜5日間ですが、今回の新型インフルエンザでは一部に10日間とも言われています。
通常、人は豚インフルエンザ(今までに存在する型)にかかりにくく、かかっても軽症で済み、人から人へは移りません。 今回の新型インフルエンザは人から人へと移りますので、豚インフルエンザとは呼べず、ここ数日で新型インフルエンザという呼び名が定着してきました。
養豚生産者として、新型インフルエンザについて理解すべき重要項目は以下の通りです。
1.豚肉は食べても安全です。
2.今回の新型インフルエンザウィルスは今までに日本に存在しないウィルスです。
3.人から人へ移ります。豚が人への伝播に直接かかわっているとの報告はありません。
4.しかし、豚インフルエンザウィルスと共通な遺伝子を部分的に持っていますので、
人から豚へ移ることが予想されます。
5.今、われわれが最も注力すべきことは、新型インフルエンザに感染した人から養豚場の
豚に感染することを防ぐことです。
その推奨ポイントは;
1)今まで農場で実施しているバイオセキュリティー(防疫対策)を徹底すること。
2)体調不良な従業員、および家族に体調不良な人がいる従業員は入場を避け、
医者の診察を受けること。
3)農場に入る人は必要不可欠な人に限り、訪問者をできるだけ制限すること。
4)そして、入場させる訪問者では以下の点を確認してください。
a. 訪問日の10日以内に海外旅行をしていないこと。
b. 極力、新幹線や飛行機などの公共交通機関を利用していないこと
(機内、車中で誰と接触しているかわからないから)。
c. 通常通りのシャワーインと衣服交換後、マスクと手袋を装着してもらうこと。
5)さらに、農場スタッフも、極力、公共交通機関の使用を避け、また、
人ごみに行くことも避けてください。
6)農場従業員は通常の衛生管理を徹底すること。すなわち、手洗いの励行、
衣服の交換、咳のエチケット(豚に咳やつばをかけないなど)の励行です。
なお、アメリカ国内でも、同様に養豚場への感染者からの新型インフルエンザウィルスの侵入防止を徹底する呼びかけがされています。
また、USDA(アメリカ農務省)の研究施設では、今回の新型インフルエンザウィルス(カリフォルニアの発生例から採取したもの) を用いた豚への感染実験がおこなわれており、ウィルスの肺での増殖や鼻からの排泄に関する結果は1週間以内に出るようです。 また、病原性や豚での伝播およびワクチンの有効性に関する試験は2週間以内に始まるとのことです。
以上、正しい情報に基づき、農場を新型インフルエンザの侵入から守ることをお願いします。日々、刻々と状況が変化しますので、 新しい情報を得ましたら、また、ご連絡申し上げます。何か不明な点などが有りましたら、ご連絡ください。
2009年5月1日
有)バリューファーム・コンサルティング
呉 克昌
VFCの歴史に新しいページが加わります!
4月1日から、麻布大学を今春卒業し獣医師免許を取得したフレッシュマンの杉山正徳君がVFCの一員に加わりました。 ご実家は愛知県で養鶏場を営んでおられ、従兄弟には愛知県のアクティブピッグの山本さんが居り、申し分ない畜産環境の中で育った優秀な人財です。 ますます高度化と専門性が求められる養豚獣医療ですが、時間をかけてじっくりと育成し、将来の日本の養豚を支えることのできる獣医師に育ってほしいと願っています。
また、4年間、VFCで研鑽を積み、クライアントとVFCの発展に大いに貢献してくれた野津手麻貴子獣医師がVFCを卒業し、 故郷宮崎県で養豚専門獣医師としての一歩を踏み出すこととなりました。野津手獣医師もご実家が養豚場で、ご亡父も養豚専門獣医師だったサラブレッドの家系です。 今後は九州を中心に活動することになりますが、VFCの仕事も手伝ってくれます。
こうして、新たな歴史が加わり、 若い養豚獣医師が増えていくことは本当にうれしいことですし、ワクワクする気持ちで新たな4月を迎えたところです。
2009年4月1日 呉 克昌
2008年11月中旬に生産者7名の方々とVFCスタッフ2名、合計9名でアメリカに視察に行ってきました。 主に、イリノイ州北部で開業しているジョー・コナー先生が管理しているサウセンター(大規模繁殖農場)とその傘下の離乳・肥育農場の視察が目的でした。 サウセンターは母豚6000頭以上の規模で、防疫的に好立地条件に存在し(周囲5km以上に他の養豚場なし)、非常にハイヘルスな母豚を飼育し、 シンプルで労働生産性の追及がしやすい仕組みとなっていました。また、従業員教育とモチベーションの向上に力を入れている姿勢が印象的でした。
この規模だと1週間に3000頭近くの離乳子豚が生産されますが、傘下の離乳・肥育農場は、1サイト(農場)当り2400頭か4800頭の比較的小さい規模で運営しており、 農場単位あるいは豚舎単位(1豚 舎2400頭収容)のオールイン・オールアウトを実施することにより、高い健康状態を維持し、発育成績の最大化に努めています。 豚舎単位のオールイン・オールアウトで高い健康状態を維持するには、少なくともグループ間の導入間隔を6週以上あけることが一つの鍵となっています。 ここでも、健康管理の原則が守られている上で、如何にシンプルで労働生産性の高いシステムを作るかを最も重要視しているコナー先生の考え方が良くわかり、 感銘を受けました。今後の日本の生産・防疫システムの構築、再構築に向けての非常に貴重な訪問となりました。
2008年12月26日 呉 克昌
*クライアント様専用ページに詳細なレポートを掲載しています。併せてご覧下さい。